開業の準備が整ったら、いよいよビジネスの「核」となる商品・サービスを設計するステージです。
良い商品を作れば売れる——とは限りません。今の時代に求められるのは、“売れる”前提で設計された商品やサービスです。重要なのは、「誰の、どんな悩み」をどうやって解決するのかという視点です。
今回は、スモールビジネスで成功するための商品設計の基本から、差別化に欠かせないUSP(独自の売り)の考え方、テスト販売の進め方までを実践的に解説します。
1. 商品設計の基本は「課題解決」
ビジネスは“価値提供の手段”です。そのため、売れる商品・サービスを作る第一歩は、「どんな悩み・不便・不安・欲求」を解決するのかを明確にすることから始まります。
✅ 商品設計3つの基本視点
- 誰の(ターゲット):年齢・性別・ライフスタイル・悩みの深さなどを具体化
- 何の課題を:時間不足・孤独・自信のなさ・情報過多・面倒さ など
- どんな変化を提供するか:安心する、ラクになる、嬉しい気持ちになる、知識が増える、など
→ これらが一致して初めて「買いたい」と思ってもらえる商品になります。
✅ NGパターンの例:
- 「とりあえず形になったから販売してみる」
- 「自分が良いと思っているから、きっと売れるはず」
- 「商品はできたけど、誰に売るか決まっていない」
こうしたパターンでは、売れないどころか「売れない理由すら分からない」という状況に陥りやすくなります。
2. 差別化のカギはUSP(独自の売り)にあり
「似たような商品はすでにある」というのが現代の前提。その中で選ばれるには、USP(Unique Selling Proposition)——つまり、“この商品ならではの価値”を明確にする必要があります。
✅ USPのつくり方
- 共感されるストーリーがあるか?(例:元◯◯が開発/自分の失敗から生まれた)
- ターゲットに特化しているか?(例:初心者専門/子育て中の女性向け)
- 他にはない仕組み・視点・体験があるか?(例:診断つき/参加型/定期便)
✅ USP事例(スモールビジネス向け)
- 「夜しか学べない会社員向け、21時から始まるオンライン英会話」
- 「ズボラでも1日5分でOK!60代女性のための簡単筋トレ講座」
- 「読書嫌いの高校生が選ぶ、月1冊だけの“要約&質問つき”読書クラブ」
→ 競合との違いが一言で言えるか?が判断のポイントです。
3. 試作品づくりとテスト販売の進め方
商品は「完成させてから売る」必要はありません。むしろ、“売れるかどうか”を試すために、未完成の状態で出すことが大切です。
✅ 試作品(MVP)を作る
- MVP=Minimum Viable Product(最小限の機能を持った製品)
- サンプル、簡易版、モニター募集などの形で構わない
- 完成度より「ニーズ検証」が目的
✅ テスト販売の手段
- SNSで「試してくれる人募集」と告知(X、Instagram、noteなど)
- クラウドファンディングで初期のニーズと反応をチェック
- 知人や小規模グループに体験してもらい、リアルな声を集める
✅ 検証すべきこと
- お金を払ってでも使いたいか?
- どこが魅力と感じられているか?
- どこでつまずいたか・改善点は何か?
→ テスト段階のフィードバックは、商品力を高める最大の資源になります。
まとめ|売れる商品は「設計」で8割が決まる
- ターゲットと悩みを明確にし、「変化を提供する商品」を設計しよう
- USPを磨き、「他とは違う理由」を一言で語れるように
- 完成前からテスト販売し、反応を見ながら改善していこう
以下のワークシートを書いていきましょう!アイデアの具体化からテスト販売まで一気に可視化できます。
🎯 売れる商品設計ワークシート
目的:誰に、どんな悩みを、どうやって解決するかを言語化する
【STEP1】ターゲットを明確にする
🔸この商品・サービスは「誰」のためのものですか?
- 年齢層:______________
- 性別:________________
- 職業/ライフスタイル:______________
- 日常の悩み/不満:________________
- 具体的な人物像(ペルソナ): 例)30代後半・子育て中・フルタイム勤務・家事と仕事の両立に悩む女性
【STEP2】どんな悩み・課題を解決しますか?
- □ 時間がない
- □ お金に不安がある
- □ 情報が多すぎて選べない
- □ 孤独・不安・自信がない
- □ 〇〇をしたいが方法が分からない
✅上記から1〜2個に絞って、具体的に言語化: → 例:「時間がないワーキングマザーが、夜10分でできる簡単ストレッチ法を知りたい」
【STEP3】解決後の「変化・ゴール」を描く
- この商品を使ったら、ユーザーはどう変わる?
- □ 楽になる
- □ 安心する
- □ 知識・スキルがつく
- □ 美しく/かっこよくなる
- □ 成果が出る(例:痩せる、売上が上がる など)
🔽ゴールの例文: → 「忙しくても体調を整える自信が持てる」
→ 「選ぶ時間が減って、決断が早くなる」
【STEP4】USP(独自の売り)を整理する
USPチェックポイント | 自分の商品に当てはまるか? | メモ・アイデア |
---|---|---|
特定のターゲットに特化している | □ Yes / □ No | |
他にはない視点・切り口がある | □ Yes / □ No | |
開発ストーリーに共感要素がある | □ Yes / □ No | |
使い方や仕組みに“ユニークさ”がある | □ Yes / □ No |
✔︎ 競合と違うポイントを一言でまとめると? → ____________________________________________
【STEP5】試作品(MVP)とテスト販売の計画
🔹MVPをどう作る?
- □ 無料モニターを募集する
- □ 小規模イベントで体験してもらう
- □ noteやSNSで「試作品の反応」を見てみる
- □ PDFや動画など、簡易版コンテンツを作ってみる
作るMVPの内容:___________________________________
提供方法(例:Googleフォーム、BASE、Instagram DMなど):__________
🔹テスト販売で確認したいこと
チェック項目 | Yes / No | コメント |
---|---|---|
お金を払っても使いたいと感じたか? | □ / □ | |
どこに魅力を感じたか明確か? | □ / □ | |
どこでつまずいた?改善点は? | □ / □ |
💡補足:このワークシートの使い方
- 一人で考えるより、誰かと一緒に「対話」しながら進めると効果大。
- 完成度より「仮説→試す→直す」の繰り返しを意識しましょう。
- 書き出した内容を元に、LPやSNS投稿、商品説明にも展開できます。
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