株式会社という言葉はよく聞くものの、実際にどのような仕組みで成り立っているのか、具体的なメリットやデメリット、設立の流れについて詳しく知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?
本記事では、株式会社の基本から、メリット・デメリット、設立の手順、さらには個人事業主との違いまでを詳しく解説します。
1. 株式会社とは? 基本の仕組みを解説
株式会社とは、「株式」を発行し、出資者(株主)から資金を調達することで運営される法人形態です。
企業が事業を拡大するためには資金が必要ですが、株式会社は株式を発行することで、外部の投資家(株主)から資金を集めることができます。
株式会社の基本構造
✅ 株主:会社のオーナー(出資者)
✅ 取締役:会社の経営を行う人
✅ 株主総会:株主が会社の重要事項を決定する場
✅ 取締役会(任意):複数の取締役で構成される意思決定機関
このように、株式会社は「所有(株主)」と「経営(取締役)」が分かれているのが大きな特徴です。
2. 株式会社のメリットとデメリット
✅ 株式会社のメリット
(1) 信用力が高い
「株式会社」という形態は、一般的に個人事業主や合同会社よりも信用力が高いとされています。企業や金融機関との取引がしやすく、融資も受けやすいです。
(2) 資金調達がしやすい
株式会社は株式を発行して資金を集めることができるため、大きな事業を展開する際に有利です。
(3) 責任が限定される(有限責任)
株主は会社が負った借金を返済する義務はなく、出資した金額の範囲でのみ責任を負う(有限責任)ため、リスクが限定されます。
(4) 事業の継続性が高い
個人事業主は事業主が亡くなったり、引退すると事業が終了することがありますが、株式会社は法人として存続できるため、事業を長く続けることが可能です。
❌ 株式会社のデメリット
(1) 設立コストが高い
株式会社を設立するには最低でも約25万円程度の費用(登録免許税、定款認証費用など)が必要になります。
(2) 手続きが複雑
法人税の申告や役員変更など、個人事業主に比べて運営の手続きが多く、税務や会計の管理が大変になります。
(3) 配当が必要(利益の分配)
出資者(株主)がいる場合、会社の利益の一部を配当として株主に還元する必要があるため、自由に資金を使えない場合もあります。
3. 株式会社の設立手順
株式会社の設立は、以下の流れで行います。
① 会社の基本情報を決める
- 商号(会社名)
- 本店所在地
- 事業内容(定款に記載)
- 資本金(1円から可能だが、信用を考えると10万円以上が一般的)
② 定款を作成し、公証役場で認証を受ける
- 定款とは、会社の基本ルールを定めた書類
- 電子定款にすると印紙代4万円が不要
③ 資本金を払い込む
- 会社名義の銀行口座がないため、発起人(設立者)の口座に振り込む形で資本金を準備
④ 法務局で登記申請を行う
- 登録免許税が15万円(または資本金の0.7%)かかる
- 登記完了まで約1〜2週間
⑤ 法人銀行口座の開設 & 税務署への届け出
- 会社名義の銀行口座を作る
- 法人税や消費税の申告に必要な届出を税務署・都道府県税事務所に提出
この流れで約1ヶ月ほどで株式会社を設立できます。
4. 株式会社と個人事業主の違い
項目 | 株式会社 | 個人事業主 |
---|---|---|
設立費用 | 約25万円〜 | 0円 |
信用力 | 高い | 低い |
責任 | 有限責任 | 無限責任 |
税金 | 法人税 | 所得税 |
事業継続 | 可能 | 事業主が辞めると終了 |
「最初は個人事業主で始め、事業が軌道に乗ったら法人化する」 という選択肢もあります。
5. 株式会社はこんな人におすすめ!
✅ 事業を大きくしたい人(資金調達がしやすい)
✅ 取引先との信用を重視する人(法人の方が信頼されやすい)
✅ リスクを最小限に抑えたい人(有限責任)
✅ 複数人で会社を経営したい人(株主や取締役と分担できる)
逆に、副業やスモールビジネスで始める場合は、個人事業主や合同会社の方が負担が少ないためおすすめです。
6. まとめ|株式会社のメリットを理解して活用しよう!
株式会社は、資金調達のしやすさや信用力の高さなど、多くのメリットがあります。しかし、設立費用や手続きの煩雑さなどのデメリットもあるため、自分のビジネスの規模や目的に応じて適切な法人形態を選ぶことが重要です。
✔ 株式会社のメリット
- 信用力が高い
- 資金調達がしやすい
- 責任が限定される(有限責任)
- 事業の継続性が高い
✔ 株式会社のデメリット
- 設立費用が高い
- 手続きが複雑
- 株主への配当が必要になる
あなたのビジネスに最適な形態を選び、成功への第一歩を踏み出しましょう!