「利益が出ているのにお金が足りない…」 「請求書は出したのに入金が遅い…」
そんな“お金の悩み”に直面するフリーランスやスモールビジネスの経営者は少なくありません。この記事では、資金繰り(キャッシュフロー)を改善するための具体的な方法を、すぐに実行できる7つの視点から解説します。
1. 「利益」と「現金」の違いを理解する
- 利益=売上 − 経費(発生主義)
- キャッシュ=実際に手元にあるお金(現金主義)
例:10万円の売上を上げても、入金が翌月なら「今月のキャッシュはゼロ」 → 資金繰りは“現金ベース”で管理することが基本です。
2. 入金を早める工夫をする
- 請求書の発行をできるだけ早く(納品当日〜翌日が理想)
- 支払い条件を「翌月末→翌月15日」などに見直し交渉
- クレジットカード決済や即時支払い手段を導入
→「売上=すぐキャッシュ」に近づけることで、資金繰りが安定します。
3. 支出を後ろにずらす
- サブスクや固定費の引き落とし日を月末〜翌月に設定
- 必要最低限の仕入れ/購入に留める
- 大型支出は分割・リース・クラウドツール利用などで分散
→「入ってから出す」リズムを意識してキャッシュを守る
4. 使っていない固定費・サブスクを見直す
- 毎月自動で引き落とされている費用をチェック
- 利用頻度の低いツール・サービスは解約 or プラン変更
- 月1回の「固定費棚卸し日」を設けるのもおすすめ
5. クラウド会計ツールで可視化する
- freee、マネーフォワードなどで現金残高・入出金予定を見える化
- 資金繰り表を自動で作成し、「○月に不足しそう」がすぐにわかる
→“なんとなく管理”から“見える経営”へ移行できます
6. 一時的な資金不足への備えを持つ
- 少額のビジネスローンや融資枠を確保しておく(使わなくてもOK)
- 日本政策金融公庫・自治体の制度融資をチェック
- 取引先との「前払い」「半金前金」交渉も有効
7. 利益率を上げる努力をする
- 高単価商品・サービスの比率を増やす
- 外注費・広告費を見直す(費用対効果)
- 無料から有料プランへの引き上げなど、LTVアップ戦略
→ 利益の“質”を上げることで、キャッシュに余裕が生まれる
まとめ|キャッシュは「見える化」と「前倒し」がカギ
- 入金は早く/支出は遅く——シンプルな原則が資金繰りを改善する
- “お金がない”ではなく、“お金の流れが見えていない”が問題の本質
- 月1回の「資金繰りチェック日」を設けて、習慣化するのがおすすめ
キャッシュは事業の血液です。利益より先に、“お金の流れ”を整えてこそ、ビジネスは持続可能になります。
📋 月次資金繰りチェックシート
目的:資金の動きを「見える化」し、キャッシュ不足を未然に防ぐ。毎月1回のチェックでOK!
月次資金繰りチェック項目
項目 | 今月の状況 | コメント・対策メモ |
---|---|---|
売上予定額(請求済) | ¥____ | ___________ |
今月の入金見込(実現性あり) | ¥____ | 入金予定日は? |
手元現金(銀行口座残高含む) | ¥____ | ___________ |
固定費(家賃・通信費など) | ¥____ | 節約できそうな項目は? |
変動費(仕入・外注など) | ¥____ | 発注の見直し要否は? |
税金・積立・返済予定 | ¥____ | 支払い時期を調整可能? |
来月までに必要なキャッシュ | ¥____ | 不足が出る場合の対策は? |
今月の黒字 or 赤字(キャッシュベース) | +/− ¥____ | 現状の評価と対策案を一言 |